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2021.11.16 展覧会アーカイブ, Exhibitions, ギャラリービス展示

みづのすがた 〜玉雪(Tamayuki)書表現の世界〜

みづのすがた 〜玉雪(Tamayuki)書表現の世界〜
2021.11.16-11.21
12:00-19:00(最終日は17:00まで)
今週のギャラリービスでは、書家・玉雪さんによる個展を開催しています。
たとえば、私たちの生活にあふれる「水」。「水」というものは同じ姿であることはありません。水をこぼしたら床にあたって弾ける、その弾ける様が必ず同じようになることはありません。
たとえば、水を形容したり、連想したり、司る生き物もたくさんいます。例えば魚のような海の生き物だったり、龍であったり。
そんな水の世界を、「墨」と「文字」を通し、玉雪さんの感性で描きます。
平面作品から掛け軸を展示。展示室の奥には吊られた「龗(おかみ)」の文字に祝詞、地にはその「龗」の字と対になった京都の町が広がります。
人々の生活とは切って離せない水。それを作品の用途として扱い、また信仰として存在に感謝しつつ、水と「墨」と「文字」を使って表現する。
その美しい日本語、漢字、ことば、モノのすがたを是非ご高覧ください。
さまざまに姿を変える水。目に見えない世界も含め、玉雪の感性に響いた水の姿を墨であらわしてみました。墨の一滴の持つ不思議なちからを感じていただけましたら幸いです。
<Artist>
本名 田村由紀(たむら ゆき)。
9歳から鷹峯の書道教室に通い書を始める。
高等学校(京都市立紫野高等学校)芸術科 書道でその豊かな表現の世界に魅せられ大学(奈良教育大学)で書を専攻。
大学院(同大学)で美術教育(書道)を修了。
学生時代に書の様々な分野を著名な師から学び、独自の感覚・感性を磨いてゆく基盤を作ったことが玉雪の財産。
卒業後、包装資材会社 企画部に4年余り勤務。デザインの現場を体験し、クリエイティブ活動の幅を広げる。
2001.4「京都文字美術研究所(Mojibi)」創設、フリーな立場で書に関わる生き方を選択。
2002.3、2007.7に北山で個展開催。
2012.5、紫野にアトリエを構えてからは世界を視野に入れた書作品制作を開始。
2015.7パリ、2017.3トルコで作品を発表、好評を得る。
様々な活動を手がけながら作品制作を続け、現代における書の可能性を探求。
書を楽しむという体験を通して自己の内面と向き合い、自分の人生を豊かに創りあげたいという志が生まれ、一人ひとりが本来持つ可能性が拓いていくことを確信。
文字美ならではの書の学び方「玉雪メゾッド」が構築されつつある。
展示会場。
「龗(おかみ)」の「ゾーン」。
神社をイメージしてつくったとのこと。
靴を脱いでビニールシートの上に上がっていただいて、「二拝一拍一拝」と祝詞を読むイメージ。
会期中にお客様と行っていたワークショップの様子。
長い和紙に墨を一雫垂らし、そこから線をひいていく、というもの。
大人気でした。
「龗(おかみ)」という文字と、書道という日本人に馴染み深いマテリアルで人間と切っては離せないなにかしらの「関係性」を表現した玉雪さん。
その柔らかな作風で癒されるお客様も多かったそう。
娘さんも制作をされているそうで、「今度は親子展したいなあ」とのこと。楽しみです!