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2021.11.30 展覧会アーカイブ, 企画展, ギャラリービス展示

随行奏子 木彫展

【今週のギャラリービス】
「随行奏子 木彫展」
2021.11.30(tue)-12.5(sun)
12:00-19:00(最終日は17:00まで)
今週のギャラリービスでは、随行奏子さんによる個展「随行奏子 木彫展」を開催しています。
随行さんは2019年3ギャラリーで同時開催された、「立体造形2019」展でギャラリー賞を受賞されています。
今回の展示ではクスノキで製作された壁掛けの木彫りの作品を展示しています。
ギャラリービスの空間にクスノキの香りが漂い、作品の人型の顔やそのポーズと相まって、いつもとは雰囲気の違うギャラリーをお楽しみいただけます。
人型で立体の展示とはいえ、立体になっているのはその「顔」だけ。木彫だけど平面になっているその人型のバランスが、観客の興味をそそります。また浮き彫りになった「顔」の表情は、何か言いたげだけどなにも言わないような、捉え方次第では「感情のこもった」表情をしています。
彼女の作品全体のコンセプトは「日々の言葉にできない感情や動きまくる思考、幼少の頃から抱き続けている感覚などをなんとか作品という形にしようと試みる」こと。
人型の顔の、「何を言うのかわからないけれどでもなにか言いたそうな感じ」はそのコンセプトから来るものなのではないでしょうか。
そしてその顔の感情をどう読み取るかは観に来てくださるあなた次第でもあるのです。
ぜひご高覧ください。
普段から描きためている落書きを元に、ここ数年人型の木彫を作るようになりました。
2019年頃から自分の立体への視点に違和感を感じ、半分立体の壁掛けの木彫を作っています。
今回の展示は次元や時間の経過、重力などの彫刻についてまわる制約をなるべく軽くしたいと思い
制作を試みました。
落書きから始まったものが最後には半立体の壁掛け作品になるという工程の中で様々な形の破綻が
起こります。
自分の予期しなかった形が表れるのは大変興味深いです。
随行 奏子 ZUIGYO Kanako
人型を用いた壁掛けの木彫を主に展示。
日々の言葉にできない感情や動きまくる思考、幼少の頃から抱き続けている感覚などをなんとか作品という形にしようと試みる。
1980年 広島県生まれ
2004年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科彫刻専攻 卒業
広島県在住
<展覧会>
2021 個展「奥歯にずっとはさまっている」(KUNST ARZT/京都)
2020 Gallery Land’s End Collection(Gallery Land’s End /兵庫)
2019 TURNER ACRYL GOUACHE BIENNALE 2018(ターナーギャラリー/東京)
立体造形 2019(同時代ギャラリー/京都)
クリエイターズ・ファクトリー受賞者展(花のれんタリーズコーヒー なんばグランド花月店/大阪)
さいころ[骰子]、または賽、dice展(物|事 田疇/兵庫)
2018 立体造形 2018(JARFO京都画廊/京都)
京都国際映画祭2018 クリエイターズ・ファクトリー(元淳風小学校/京都)
2017 立体造形 2017(ART FORUM JARFO/京都)
第71回山口県美術展覧会(山口県立美術館)
2016 彫刻の五七五ー彫って刻んで30年展ー(沖縄県立芸術大学資料館)
第23回木彫フォークアートおおや(養父市立おおやホール/兵庫)
2015 Shoe box ART 巡回展(養泉寺・ギャラリー黎〈びぎん〉/京都)
第22回木彫フォークアートおおや(養父市立おおやホール/兵庫)
2012 東広島市現代美術プログラム 宇山DNA(東広島市河内町宇山地区/広島)
ギャラリービス内観
顔だけ立体の作品が並ぶ。
「Who Are You?」
一生懸命手を振られている気はするけどなんだかわからないという作品。
新幹線の見送りの時によくある風景かもしれません。
「魔送球」
巨人の星の技(?)から着想を得た作品。
ボールの歪み具合が特徴的。
「By Bicycle」
どんどん近づいてくる自転車のヒト。
その表情はほんとうに何を考えているのか、観客の想像力をかきたてる作品。
「集団登校」
集団登校!懐かしい!スタッフは班長をしていました。どうでもいいですね。
チャリンコのふたりが気になる。
「家路を急いで」
家路を急いで、というタイトルと一輪車がなんだかエモい作品。
ビスのいわゆる「謎の空間」にあったこともなんだかエモさを引き立てています。
「きっと、うまくいく」
神妙な顔をした作品に共感する人多し。
「summer」
今回出した作品の中で一番古い作品とのこと。
この頃は自分を投影しているとのこと。
「手をかくことで早く進める」
手の描写が漫画ちっくで面白い。
販売されたグッズ。
MAEBA & OKUBA
MAEBAが特に人気でした。
表情や作風がシュールな作品が並び、評判も高かった作品展でした。
どうでもいい話ですが、スタッフの母は大層お気に召したようで、「あとでじわじわ来る作品」「振り返るといい作品展、とても心に残った」とのこと。
こういう感想を持たれた方は多々いらっしゃったと思います。
広島からいらした作家さん。関西や関東に活躍の場を広げていただきたい作家さんの一人です。